キンカンのブログ

気が向いたら書いています。

2022/10/20

また、ずんと寒くなった。厚手の手袋なしでは手がかじかんでしまって、手があるのかどうかさえわからなくなるほど寒い。しかし日が出始めるとすぐ暖かくなる上、自転車通学のため住宅地の坂などを登っていると背中が汗でぐっしょり濡れるほど暑くなる。      

 しかしながら寒すぎる中を薄手の服で強行すると必ずと言っていいほど腹を壊す。これは避けたい。家から学校まででトイレを借りられそうなところはほんの2〜3箇所で、しかもどれも学校か自宅の近くで、中間地点付近にはないのだ。心細さでまたお腹が縮むように痛む。しかし厚手の服に腹巻きなんかすると暑くてかなわない。なかなか難儀だ。

 今日はバドミントンをした。組んだ人がそれほどバドミントンが得意でないようだったが、別に自分だって得意でないのだ。精一杯楽しもうと思って試合をした。最初に、ダブルス。負けた。相手もそこそこ強かったが、楽しかった。次に、シングルス。

「やる?」と言われたので、「うん」と返して始まったが、相手がなかなか強い。実力が拮抗している。とってとられてを繰り返す。あと一点。取られたら負け。取られた。

ああ、負けた。甘々の返しに油断してヘアピンを狙って、ネットに引っかかったのだから格好がつかない。大声で「ああ、くやしい」と笑いながらいって誤魔化した。

最後の、ダブルス。どちらもバドミントン部。ラケットの扱い方からして違う。もう、音が違う。自分みたいなヘタが振ると「びゆうう」だとか鳴る。出来損ないの口笛みたいな音だ。だがこれが、ちゃんとやってる人だと「ぴっ」と鳴る。力点というか、インパクトの瞬間に最大の力が加わる打ち方で、無駄がない。あまり言いたくないが、こりゃあ勝てないなあと思って始めたが、そうでもない。点が入らないこともない。

ああ。相手、なるほど、手を抜いている。いや、その言い方では失礼だ。実力が拮抗した、「いい試合」をするために調整しているんだ。悔しい気もするが、それよりずっと楽しい。結局負けてしまった。そっちのほうが良かった。これで勝たせていただいたとしても、ひっかかるところがあるだろうから。

するとペアの人がぼそぼそといった。

ごめん、おれ全然動けてなくて。まじ、ごめん。

いっつもひとりでいるから、と小さく聞こえたような気がしたが被せるように答えた。

いや、別に俺も動けてなかったしさ、全然!そんな。

別にあまり何を感ずるでもなく元気に答えた。ただ、このことを言うときの、この人は何を考えているのだろう、と思った。試合中ずっと申し訳なく思っていたんだろうか。そう思うと。いや、それでも何も思わなかった。何も思わない、そのことは、申し訳なく感じた。